あー、えっと、考えてみたらこういう記事はアニメが始まる前に上げるべきだったんだけど、ちょうどネット落ちしている時だったんで、全く気が回ってませんでした。
しまったなー；時期はずしたーーーーーー orz
と、ガックリしつつも、一応やっぱり書いてみるよ！「ハイキュー！！」のススメ。
割と連載開始時からWJ感想ではキャッキャ言ってたんですが、WJ読んでない人は感想も読んでないだろうから、改めて「ハイキュー！！」を読んでない人向けに紹介＆PUSH記事です。
まず、ざくっとあらすじ。
主人公、日向翔陽は小学生の頃、地元の高校バレー部で全国までいった「小さな巨人」と呼ばれる選手に憧れ、バレーボールを始める。
しかし、入学した中学校には男子バレー部はなく、
やむなく同好会を作って活動するものの、1人でできる練習はしれているし、
指導者もいない。
3年生でようやく友達と新入部員をかき集めて即席チームで念願の公式試合を果たすものの、当然、1回戦敗退。
その時あたった優勝候補の強豪校の主将・影山飛雄に「おまえは3年間何をやってたんだ」と言われ、悔し泣きしつつ、高校でのリベンジを心に誓う。
翌年、4月。かつて憧れた「小さな巨人」がいた宮城県立烏野高校に晴れて入学した日向は、これからのバレー部活動に心を躍らせて入部申込に向かうが、そこで打倒を誓った影山と鉢合わせる――
という導入で、心ならずも打倒を誓ったライバルとチームメイトになってしまった日向が、ぶつかったり、怒られたり、失敗したりしながら、天性のバネと運動神経、そして底なしのスタミナを活かして成長していく姿を描く、青春部活スポーツ漫画です。
日向と並んで、もう一人の主人公である影山飛雄は、
3度の飯よりバレーが好きなバレー馬鹿で、天才的な技巧と、恵まれた体格を持ち、
なおかつ努力をいとわない、スペックだけあげるとミスターパーフェクト。
（先輩が「あの天才っぷり腹立つわ〜」とイラつくくらい（笑））
ただ、バレーが好きで、人一倍努力して、才能にも恵まれた彼は「できない人間」が全く理解できない。
できないなら、なぜもっと努力しないのかと腹を立ててしまう。
そのせいで、高すぎるスペックを活かせず、苛つき、周囲からどんどん孤立してしまう。チームワークがモノを言うバレーにおいて、それは致命的。
ついには突出した才能がありながらも戦力外と認定されてしまう。
日向はずば抜けた情熱と運動神経を持ちながら、環境に恵まれず、高校入学時点で
技術面はド素人同然の下手くそ。
対して、影山は小学生からバレーを始め、中学でも強豪校で指導を受け、
超ハイスペックながら仲間とのコミュニケーションができなさ過ぎて、初めて挫折。
正反対の二人が、烏野高校で出会い、日向はテクニックを、影山はパートナーシップを、周囲に見守れながら、少しずつ学び、成長し、自身の実力を開花させていく。
1人ではだめ。
相手がいるから、自分が変わる。
自分が動いたから、相手も動きだす。
それは二人だけの話ではなく、二人の入部で烏野排球部も変わる。
先輩たちも動く。指導者も動く。それによって、二人はまた成長していく…
対称的な2人の成長が両輪となって、まさに話が「転がって」ゆきます。
…と、まあ、内容だけ書くと非常にスタンダードなスポーツ漫画なので
これだけでは、何でこの漫画がオススメなのか全く伝わらないと思うので
私が惚れ込んでる理由のご説明を。
まず１点目、作者の全キャラにそそぐ目線の優しさ。
この漫画の本質は、バレー部の群像劇だと思います
烏野高校に限らず、「バレーをする人・それに関わる人全員」の群像劇です。
こういう書き方をすると、「ああ、キャラ漫画なのね〜」と思われてしまいそうですが、そうではありません。
あくまで見せるのはバレーを軸にした「ドラマ」。
そこがこの漫画の一番の特徴で、他に追随を許さない点だと思います。
基本、烏野排球部をメインに据えますが、スポーツ漫画の必然で、
公式試合が始まれば、毎試合「相手校」が登場するわけです。
ジャンプ漫画はたいてい、初戦で主人公チームの特訓成果のお披露目になる雑魚校が出て、その後、強豪校をそれなりに魅力的に見せるけど、結局主人公チームに負けて、次に出てくると、かませになるか解説役になるか、という様式化されたお約束がありますが、ハイキューでは、そういう「主人公チームの引き立て役」を置きません。
どちらかというと、TVのドキュメンタリー番組の構成に近いかも。
相手校には相手校のドラマがある。そこで大きく尺を割いたりはしないけど
試合中のやり取りで、きちんとそれぞれの想いを浮かび上がらせる。
その上で、努力を重ね、実力をつけたものが勝つ。積み重ねは決して嘘をつかない。
「努力」は「時間」は、根性論だけじゃ突き崩せない。
「才能」というものは確かにある。
でも、「才能」だけで何でもできるほど、現実は簡単じゃない。
「努力」も積み重ねればいつか、決して凌駕できない「力」となり得る。
だけど、負けたチームだって、強豪校ほど部活に打ち込んでなかったにしろ
バレーが好きで、一生懸命練習もして、勝ちたいと思っていた。それは嘘じゃない。
相手との差を見せつけられつつ、もっと筋トレ頑張っていたら、
もっと練習していたら、あのボールを諦めず追っていたら……
悔しくて零れ落ちる涙は本物。
全員が「バレー選手」という意味で対等。
ただ、その悔しさを忘れずにバネにするか、3日後には「まあしょうがない」と忘れてしまうか。
そこに、その人の「成長」の差が出る。本当にただそれだけ。
この描写には本当に胸を突かれました。
それは、バレーに限った話ではなく、誰でも何らかの形で覚えのある涙だと思います。
大事なのは試合の勝敗ではなく、その試合の中でぶつかり合って何を学ぶか。
全ての出会いに意味があり、それがあったから、今がある。
ジャンプ漫画お約束の「なぜか全員不良の暴力卑劣チーム」とか「スカウトされてきた他種目の実力者」みたいな、冷静に考えたらいないだろ、そんなん、みたいなチームは出てこない。
公式の大会に申し込むくらいだもの。みんな、バレーが好きで練習してきた選手に決まってる。
いや、当たり前の話ですけども。
念のため言っておきますが、ジャンプ的スポーツ漫画をディスっているわけではありません。
今で言うと黒バスとか、その前はアイシとか、普通に好きだし、おもしろいです。
でもあれはジャンルを厳密に言うと、スポーツ漫画じゃなくて、スポーツを題材にした
ジャンプ的バトル漫画だよな、と思っているだけで。
「漫画」としては、おもしろければ、どちらもありだと思っています。
ただハイキューは、ああいうとんでもバトルスポーツじゃないよ、と言ってるだけで。
２点目、「部活」であることを重視したドラマ構成。
作者自身が学生自身バレーに打ち込んでいたというだけあって
設定も人間関係も、バレーが題材じゃないとなりたたないという絶妙さと
あくまで「学校の部活」であることを逸脱しないバランス感覚がスバラシイ！
（選手のメンタリティが高校生相応の成熟度・未成熟度であること、
メンバーが1年ごとに入れ替わることから起こる数々の制約、
勉強との両立や遠征などにかかる費用の問題等々、
またそれを見守る大人たちの、勝敗第一ではない「成長」を重視する目線、
そして色んな壁を乗り越えながら1話進むごとに、全てのキャラが確実に成長していくこと）
特に、キャラの内面と実力、両方の成長ぶりが
私くらいの年になると、もうまぶしくてキラキラして見えます。
そんな、超人的な必殺技ではない、「基本中の基本」レベルの事から始めて
ぐいぐいとスポンジが水を吸うように成長していく姿がとても美しい。
同じメンバーが並んでいても、次の日にはもう決して同じ関係性ではない、
一秒、一瞬の間にも成長していて、同じ時間は二度とない、
十代特有の時間感覚のリアルさ。
ちなみに、超人的な必殺技はないと書きましたが、１つだけ漫画的天才描写はあります。
天才・影山の針の穴を通すような超絶ボールコントロールテクニックだけは
まあ、現実にはすがに無理だよね！なレベルです。
そこがまあ、漫画の主人公たる所以というか、完全なリアル系ドラマではなく
ジャンプで少年たちが憧れるためのフックになる、漫画演出部分です。
ただ、本編でも「ありえない超天才描写」として、他校の監督が「あれは化け物だな」
「いるんだな、ああいう天才が」「あれはもう手が付けられん」と
通常ありえない天才として扱って、パワーインフレを防止しています。
そして、影山は天才だけれど、ボールを繋ぐバレーという競技において
1人だけ天才がいてもそれだけじゃ試合には勝てない、という流れにつないで、
新たなドラマを生んでいます。
そのバランス感覚もうまいな〜と思っています。
3点目はバレー描写の巧みさ。
顧問の先生をバレーの知識がない新任の先生にして、先生に解説するという体で
読者にもわかりやすくバレーのルールや戦略が紹介されるのですが
それが本当にわかりやすくて、バレーの知識は高校の体育どまりだった私にも
バレーという競技のポイント、おもしろさ、戦略の数々が理解できました。
今までハマったスポーツ漫画はいくつもありますが、どれもキャラクターや
人間関係のドラマに惹かれたのであって、試合描写は割と流し読みというか
ふーんと思うだけで、最終巻まで読み終わっても、そのスポーツのルールは結局きちんと把握してない事が多いです。
まあそれでも読めちゃうのが、ドラマ作りのうまい証明だよ！とも言えますが、
ハイキュー読んでると、ドラマにも夢中になる一方で、自然にバレーを理解できて、
こんな難しい事やってるんだ！バレーってすげえええ！！と感動します。
主人公が明らかに下手くそで、まだ基礎を一生懸命やってるレベルだから余計感じるのかもですが、強豪校のテクニックのすごい選手とかでてくると、「あんな難しことを軽々と！！本当に勝てるの！？」とマジで心配になります。（しかも実際勝てない orz）
バレーという競技に対する見る目が変わりました。バレー、おもしろい！
そしてそれを描き切った、作者の古舘春一先生、マジすごい。
スポーツ漫画としてリアリティがあり、キャラクターがみんな魅力的で、
人間関係のドラマもおもしろく、試合展開にも惹きこまれる。
非常に良質な漫画です。
あと、古舘先生の絵もすごく魅力的。
ちょっとクセがあるけれど、ぞくっとするような迫力とか
ピリッとするような緊張感とか、ざわっとするような空気とか、
そういう言語化しにくいモノを絵の力で伝えられる、非常に表現力の高い方です。
いかんせん、デッサン力が弱くて、時々明らかに遠近がおかしかったり
割と頻繁に左右の目の高さがずれてたり、まれに体のバランスが不思議だったりしますが（笑）
漫画としての「伝える力」は極めて高いです。
今月からアニメがスタートして、明日の放送が4話目。
まだ、登場人物と舞台の紹介がされてこれからドラマが動き始める！というところなので、上に書いた設定を読んでおけば問題なく追いつけます。
漫画購入までの敷居が高い方は、ますはTVアニメから、ぜひ！
（アニメから入ればデッサンの崩れはない！（笑））
そんで興味持ったら、原作もぜひぜひに！！
本当に、お勧めです（＾＾）
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WJ感想（2014年21号）
黒バス事件の意見陳述書
また遡ってます。
かくりよものがたり第26〜33話感想